北野天満宮のみどころ
梅苑公開
春を告げる「天神さんの梅開き」
当宮には、菅原道真公ゆかりの梅50種約1,500本があり、花の時期には約2万坪の境内一円で紅白の梅が咲き競います。
早咲きの梅は例年12月中旬頃からつぼみがふくらみ始め、正月明けから開花。
徐々に咲き繋ぎ、3月末頃まで長く楽しめます。
梅苑
2月上旬頃に梅苑を公開。開苑期間は例年2月初旬から3月下旬で、白梅、紅梅、一重、八重と、とりどりに咲く梅の間を縫うように散策路が延び、お茶とお菓子を供する茶屋も開かれます。また、2月25日には梅花祭と梅花祭野点大茶湯も行われ、毎年多くの観梅者でにぎわいます。
公開時間:9時~16時まで
入場料(いずれも茶菓子付):
大人1000円(中学生以上)・こども500円
30名以上1割引 (但し25日、土・日曜、祝日を除く)
身体障害者 大人500円・こども250円
※梅苑の公開は開花状況によりますが例年2月初旬です。
日程は毎年変わります。当サイト、facebookの最新情報をご確認ください。
梅仕事
神職・巫女が総出でつとめます
当宮の神域で育った梅は天神さまのご神徳が宿ると言われ、正月の縁起物として大変人気があります。
梅の実を使った「大福梅」、招福の梅の枝「思いのまま」のいずれも、
当宮の神職、巫女や職員が総がかりで奉仕する大きな仕事です。
大福梅
1. 梅の実の採集
6月上旬から中旬頃に約1週間にわたって梅の実の採取を行います。収穫量は例年約2.5~3トン。採取した梅は、樽に塩漬けします。
2. 土用干し
7月中旬~8月下旬頃には、梅を樽から取り出して天日で干します。すのこの上にむしろを敷き、その上に梅を並べた様は圧巻。境内全域に甘酸っぱい香りが漂います。カラカラになるまで約4週間干し上げたら、再び塩をまぶして樽に収め、11月下旬まで貯蔵します。
3. 大福梅の調製
11月下旬、樽から取り出された梅は、約6粒ずつ、手のひら程の大きさに切りそろえた縁起物の裏白を添え、奉書紙で包み「大福梅」となります。
4. 大福梅の授与
12月13日の事始めから、終い天神の頃まで社頭で授与します。この「大福梅」が新年の祝膳に用いられるようになったのは平安時代の中期から。村上天皇の御代(951年)から元旦の祝膳に使われていたと記録されています。
招福の梅の枝「思いのまま」
招福の梅の枝「思いのまま」は境内の梅剪定時にでる梅枝「ずばい」に厄除け瓢箪をつけた授与品です。「ずばい」は生け花にもよく使用され、水を入れた一輪挿しにすれば、見事に美しい梅の花を咲かせます。12月中旬から剪定して飾りつけを行い、元旦の0時より授与します。
〈思いのままができるまで〉
梅の枝切り初め式
巫女によってていねいに手づくり。
出来上がり。瓢箪の中には梅花祭の祭典に用いられる厄除玄米が入っています。ご飯と一緒に焚いて食し、一年の無病息災・厄除を祈ります。
史跡 御土居の紅葉
350本の紅葉が色づくもみじ苑
宇多上皇の巡幸にお供された菅原道真公が山々の紅葉の美しさに感銘を受け、手向山八幡宮に紅葉の枝を奉じて祈願された史実から、紅葉もまた道真公と深いご縁のある樹木といえます。時は流れて桃山時代、豊臣秀吉公は洛中洛外の境界、水防のための土塁「御土居」を築きました。その一部が残る境内の西の一帯は長らく自然林で、自生のものと後に植林されたものを含め、現在、約350本の紅葉を有する名所「もみじ苑」となっています。紙屋川にかかる朱塗りの太鼓橋「鶯橋」や、茶室の梅交軒に設けた舞台からの眺めは絶景です。
もみじ苑公開
公開期間:10月下旬〜12月上旬
(ライトアップは11月中旬〜12月上旬)
[入苑時間]9時~16時、ライトアップは日没~20時
[入苑料]大人1000円・こども500円
*茶菓子付き(利休居士が考案したと伝わる麩の焼を再現したお菓子)
※日程は毎年変わります。当サイト、facebookの最新情報をご確認ください。
史跡 御土居の青もみじ
新緑の季節もおすすめです
初夏の青もみじの清々しい美しさもまた格別。かつて紙漉き場であった紙屋川の水面は鮮やかな新緑を映し、生命力にあふれています。
涼やかな青もみじの杜で、道真公のご神徳を感じてください。
青もみじの公開
公開期間 : 5月上旬〜6月下旬
[入苑時間]9時~16時
[入苑料]大人(中学生以上)500円・小人(小学生以下)250円・修学旅行生250円
※日程は毎年変わります。当サイト、facebookの最新情報をご確認ください。
国宝 社殿
本殿と拝殿を石の間でつないだ、
特色ある建築様式
[御祭神] | 菅原道真公 |
御相殿 | 中将殿(菅公の御子息) |
吉祥女(菅公の北の方) |
総面積約500坪の雄大な桧皮葺屋根を戴く社殿は、菅原道真公をおまつりする本殿と拝殿が石の間という石畳の廊下でつながり、本殿の西には脇殿を、拝殿の両脇には楽の間を備えた複雑な構造。八棟造、権現造りと称され、神社建築の歴史を伝える貴重な遺構として国宝に指定されています。
千年余りの歴史のなかで何度も火災にあいましたが、そのたびに朝廷や将軍家によって造営修繕がなされ、現在の本殿は豊臣秀吉公の遺命により豊臣秀頼公が慶長12年(1607)に造営されたものです。唐破風や黄金色に輝く装飾、精緻な彫刻の数々は絢爛豪華な桃山文化の建築ならでは。毎月25日のライトアップでは吊燈籠に火がともされ、幻想的な眺めを見ることができます。
通常は拝殿前よりご参拝いただきますが、ご祈祷の際には拝殿に昇殿いただきます。神前での厳粛な雰囲気とともに、内部の美しい装飾にもご注目ください。
三光門
夜空の北極星をいただく
伝説の門
楼門と拝殿の間に建つ中門は三光門と呼ばれ、ひと際壮麗な造りと上部に掲げられた後西天皇御宸筆の『天満宮』の勅額によって、当宮のシンボル的な建築として知られています。
三光とは、日、月、星の意味で、梁の間に彫刻があることが名の由来ですが、星の彫刻だけが見られないともいわれています。その理由は、かつて朝廷があった大極殿から望むとちょうどこの門の上に北極星が輝くことから。天空と一つになって平安京を守っていた場所がこの北野の地なのです。この伝説は「星欠けの三光門」として今も当宮の七不思議に数えられています。 社殿と同じく、桃山時代の建築様式で重要文化財に指定されています。
宝物殿
天神信仰ゆかりの
ご神宝をじっくり鑑賞
創建以来、千有余年の長きにわたり皇室をはじめ公家や武家、商人たちの篤い崇敬をうけてきた当宮には、数多くの宝物が奉納され、今に伝えられています。 なかでも、「北野天神縁起絵巻 承久本」は数ある同類の内で根本縁起といわれ、絵巻物の中では特に優れた作品として、また貴重な歴史財産として国宝に指定されています(展示は複製品となります)。古文書、刀剣、蒔絵や屏風、茶道具といった美術的にも価値の高い工芸品を多数収蔵し、常設展のほか、季節ごとにテーマを決めた企画展も開催。ご参拝とあわせ、ぜひ当宮が誇る貴重な文化遺産をご鑑賞ください。
■宝物殿
[開館日]縁日(毎月25日)、観梅・青もみじ・紅葉シーズン、1月1日、12月1日
[開館時間]9時~16時
[料金]一般800円、中・高校生400円、こども250円(未就学児童無料)
*修学旅行生250円
※展示品は入れ替えをすることがありますので、掲載されているものでもご覧いただけない場合がございます。
国宝
「北野天神縁起絵巻 承久本」
「北野天神縁起絵巻 承久本」は承久元年(1219)に作成され、現存する多数の北野天神縁起絵巻のうちで最古であり、縦52センチ、幅は最短8メートル42センチ、最長12メートル11センチあり、写本の元祖である「根本縁起」と言われています。全9巻あり、道真公の生涯と北野社の創建、そして北野天神を信仰した人々の利生記が描かれています。
その他の収蔵物
昌俊弁慶相騎図絵馬
源義経討伐の内命をうけて上洛した土佐坊昌俊を馬に乗せて引き立てて行く弁慶の勇姿を描いた絵馬。桃山時代を代表する絵師、長谷川等伯の作です。
※写真は一部分
北野曼荼羅図 北野社絵図
北野天満宮を高い所から見おろしたような社頭図。上方の社殿の内陣には天神像が描かれ、左右に多数の摂末社や塔と鳥居をあらわした室町時代の宮曼荼羅です。
※写真は一部分
橘松竹鶴亀蒔絵文台・硯箱
豊臣秀吉公の信任が篤く、当宮の崇敬者であった山中山城守長俊(1547~1607)が、連歌が催された際に使用し、奉納されたもの。縦58センチ、横34センチで、巧妙な構図と洗練された図様の表現が見事な桃山時代の作品です。
太刀 銘 恒次 附 糸巻太刀拵
作者である恒次は、鎌倉時代中期に活躍した備中国青江派の刀工。収蔵されている太刀は、元禄十五年(1702)二月二十五日の八百年大萬燈祭に、加賀藩主の前田綱紀より当宮に奉納されたものです。